聖書の読み方

メルマガのバックナンバーを掲載してます 更新は毎週水曜日と日曜日です

2023-01-01から1年間の記事一覧

キリストの復活と聖書の信仰(3)

前回に引き続き、キリストの復活について解説です。 5.新約聖書の信仰 さて前回は、新約聖書の信仰とキリストの復活には、密接な関係があると、解説しました。 しかし、そもそもキリストの復活を信じるということが、なぜそんなに重要なのか、疑問をもつ人…

キリストの復活と聖書の信仰(2)

前回に引き続き、キリストの復活についての解説です。 3.なぜ復活を強調するのか? 前回はヨハネによる福音書から、イエスの復活の箇所を引用しました。 ここで、皆さんに留意していただきたいのは、イエスの復活が、単なる「蘇生」ではないという点です。…

キリストの復活と聖書の信仰(1)

(前回の記事は、こちら) 今回からの解説は、キリストの復活についてです。 1.キリストの復活とは? さて今回からは、キリストの復活について解説します。このキリストの復活というのは、新約聖書の中では十字架と同様に、重要なものです。 つまるところ…

使徒行伝での出来事(7)

(前回の記事は、こちら) 今回は、このテーマの最後の解説です。 8.ふたつの話の意味すること さてこれまでのメルマガでは、使徒行伝の2つの話、つまりエチオピヤ人の宦官の話と、 百卒長コルネリオの解説をしてきました。いかがでしたか? このふたつの…

使徒行伝での出来事(6)

(前回の記事は、こちら) 今回も、使徒行伝のエチオピヤの宦官の解説です。 7.エチオピヤ人の宦官の話(2) 前回は使徒行伝8章のエチオピヤ人の、宦官の男性の逸話を紹介しました。彼はピリポというキリストの弟子から、洗礼(バプテスマ)を受けたので…

使徒行伝での出来事(5)

(前回の記事は、こちら) 今回からは、使徒行伝のエチオピヤの宦官の箇所の解説です。 6.エチオピヤの宦官の話(1) 前回までは、使徒行伝の10章のコルネリオの箇所の解説でした。今回からは同じく使徒行伝の8章にある、エチオピヤの宦官の話を解説し…

使徒行伝での出来事(4)

(前回の記事は、こちら) 今回も、使徒行伝10章のコルネリオの箇所を解説します。 5.ペテロの幻の意味 前回は、使徒ペテロがカイザリヤにいるローマの百卒長コルネリオのもとを訪ねる場面を解説しました。 ここでペテロの見た、あの奇妙な幻の意味が明…

使徒行伝での出来事(3)

前回に引き続き、新約聖書の使徒行伝での出来事について解説をします。 4.ペテロとコルネリオの出会い さて前回奇妙な幻を見たペテロは、百卒長コルネリオの住むカイザリヤへと向かいます。 コルネリオは親族や親しい友人を共にペテロの到着を待っていまし…

使徒行伝での出来事(2)

前回に引き続き、新約聖書の使徒行伝での出来事を解説します。 3.ペテロの見た幻 当時使徒ペテロは、ヨッパという所に滞在中でした。そこで彼がある家の屋上にいたとき、奇妙な幻(夢?)を見ます。 それは、彼が昼食を待っていたときのことでした。 「彼…

使徒行伝での出来事(1)

(前回の記事は、こちら) 今回から解説するのは、新約聖書の使徒行伝です。 1.使徒行伝とは? 今回からのメールマガジンでは、新約聖書の中の使徒行伝というところを解説します。使徒行伝とありますが、ここで使徒というのは、だいたいキリストの直弟子、…

ヤコブの手紙の意義(3)

前回に引き続き、ヤコブの手紙について解説をします。 4.パウロは、行いを否定していない 前回解説したようにヤコブの手紙は、キリスト教の実践面に焦点をあてた書簡です。 ですが、これは信仰を強調する使徒パウロの教えとは、一見矛盾します。 これが、…

ヤコブの手紙の意義(2)

前回に引き続き、ヤコブの手紙について解説をします。 3.ヤコブの勧め 前回のメルマガでも解説をしたように、ヤコブの手紙は特にキリスト教の実践面の勧めが多い手紙です。 特に彼が批判するのは、形だけの信仰、つまり実践=正しい行いの伴わない、空虚な…

ヤコブの手紙の意義(1)

(前回の記事は、こちら) 今回からは、新約聖書に入っているヤコブの手紙について解説をします。 1.ヤコブの手紙とは? 今回取り上げるのは、ヤコブの手紙という文書です。 これは新約聖書のなかの書簡=手紙の中のひとつで、ヤコブという人物が書いたも…

キリスト教の教義の問題点(3)

前回に引き続き、キリスト教の教義の問題について解説をします。 3.教義の問題(続き) 私は長い間、プロテスタントの教会に通っていました。 私が通っていたのは改革派と呼ばれる教会で、これは宗教改革者カルヴァンの流れをくんでいる教会でした。 いわ…

キリスト教の教義の問題点(2)

前回に引き続き、キリスト教会の教義の問題について解説をします。 2.教義の問題 こうした三位一体などのキリスト教会の教義を、いわば端的に示しているのが、「使徒信条」と呼ばれる信条です。 これは2世紀頃のローマ信条と呼ばれる、キリスト教最古の信…

キリスト教の教義の問題点(1)

(前回の記事は、こちら) 今回からはキリスト教会の教義について、その問題点を取り上げます。 1.教義(ドグマ)とは? さてこのメールマガジンでは、聖書について取り上げてきました。 聖書は旧約聖書と新約聖書からなっています。キリスト教はユダヤ教…

「伝道の書」の伝えたいこと(6)

前回に引き続き、伝道の書について解説をします。 5.伝道の書の末尾 今回までのメルマガでは、旧約聖書の伝道の書の解説をしてきました。いかがでしたか? 伝道の書は次のような言葉で、締めくくられています。 「事の帰する所は、すべて言われた。すなわ…

「伝道の書」の伝えたいこと(5)

前回に引き続き、伝道の書について解説をします。 5.伝道者の得た結論とは? この伝道の書の著者は、知恵のある人でした。そして、財産にも恵まれていたようです。 しかし、そんな自身の境遇にも、結局満足できませんでした。また、この世界の有様にも、や…

「伝道の書」の伝えたいこと(4)

前回に引き続き、伝道の書について解説をします。 5.伝道者の見た世界(2) さて、彼はこの世の富や知恵に、対して期待はしません。 またこの世の有様にも、空しさを感じます。 一体何故でしょうか? なぜなら、この世界は、善人が必ずしも勝つのではなく…

「伝道の書」の伝えたいこと(3)

前回に引き続き、伝道の書について解説をします。 3.伝道者の感じた、心の空しさ さてこの伝道の書の著者は、さまざまな事業をなし、富を蓄え、多くの奴隷をもち、また女性にも恵まれていました。 にもかかわらず、彼の心はそれによって満足はしませんでし…

「伝道の書」の伝えたいこと(2)

前回に引き続き、伝道の書について解説をします。 2.伝道の書の著者=伝道者 前回は、伝道の書の冒頭の言葉を紹介しました。今回はこの書の著者の、「伝道者」について解説します。 この伝道者という人物については、2章に次のようにあります。 「わたし…

「伝道の書」の伝えたいこと(1)

(前回の記事は、こちら) 今回からは、伝道の書を取りあげたいと思います。 1.伝道の書とは? 今回取り上げるのは、旧約聖書のなかの「伝道の書」という所です。これは、旧約聖書では箴言の次に置かれている文書です。 「伝道の書」とありますが、このタ…

新約聖書の時代背景(11)

(前回の記事は、こちら) 12.終わりに さて、今回まで新約聖書の時代背景について、簡単に解説をしてきました。 いかがだったでしょうか? ここまでの解説は人によっては、あまり目新しさのない内容だったかもしれません。 しかし新約聖書は、その時代の…

新約聖書の時代背景(10)

前回に引き続き、新約聖書の時代背景について解説します。 11.ユダヤ教と神殿 今回は、当時のユダヤ教の神殿について解説します。 新約聖書の時代、ユダヤ教の中心は神殿にありました。 この神殿はヘロデ大王の時代に大幅に改修され、その壮大な建築は多…

新約聖書の時代背景(9)

前回に引き続き、新約聖書の時代背景について解説します。 10.散在のユダヤ人と、旧約聖書の翻訳 新約聖書の時代、ユダヤ人はパレスチナ地方のみならず、ローマ帝国の各地に散在していました。 そして彼らは、新約の時代よりかなり前から、さまざまな地域…

新約聖書の時代背景(8)

(前回の記事は、こちら) 9.散在のユダヤ人 新約聖書の時代、ユダヤ人は主にパレスチナ地方に住んでいました。 しかし彼から住んでいたのは、この地域のみではありません。むしろ、彼らはローマ帝国の様々な地域に居住していました。 彼らのことを散在(デ…

新約聖書の時代背景(7)

前回に引き続き、新約聖書の時代背景について解説します。 8.当時の社会情勢(続き) さて繰り返しになりますが、当時パレスチナはローマ帝国の支配下にありました。 しかしそのことを、内心快く思っていなかった人も少なくありませんでした。 このような…

新約聖書の時代背景(6)

前回に引き続き、新約聖書の時代背景について解説します。 7.当時の社会情勢 さて当時のパレスチナは、ローマ帝国の支配下にありました。 そこでローマ帝国は、自身の立場に近いヘロデ王家を立て、彼らにこの地方を統治させていました。 このヘロデ王家の…

新約聖書の時代背景(5)

前回に引き続き、新約聖書の時代背景について解説します。 6.ユダヤ人の話した言葉 旧約聖書は、ヘブライ語と呼ばれる言葉で書かれています。 しかし新約聖書の時代にユダヤ人が話していたのは、ヘブライ語ではありません。 アラム語と呼ばれる言葉でした…

新約聖書の時代背景(4)

前回に引き続き、新約聖書の時代背景について解説します。 4.ユダヤ教の状況(3) さて当時のユダヤ教には、もうひとつ重要な党派がありました。 それは、エッセネ派と呼ばれる人々です。 彼らは、新約聖書に直接は登場しませんが、当時の時代背景を理解…