聖書の読み方

メルマガのバックナンバーを掲載してます 更新は毎週水曜日と日曜日です

新約聖書

使徒会議の意義(5)

前回に引き続き、新約聖書の使徒会議についての解説です。 6.使徒会議がもたらしたもの さて今回まで解説をしたこの使徒会議は、言ってみれば、その後のキリスト教の方向性を決めた、重要な会議でした。 もともとキリスト教は、ユダヤ教が母胎となった宗教…

使徒会議の意義(4)

前回に引き続き、新約聖書の使徒会議についての解説です。 5.異邦人に律法を押し付けない 前回解説したように、この会議では異邦人に対しては、割礼を含む旧約聖書の戒律を、字義通りには守らせる必要はないという方向へ、進みました。 そして会議の中で、…

使徒会議の意義(3)

前回に引き続き、新約聖書の使徒会議についての解説です。 4.エルサレムでの会議 さて前回の解説のとおり、(パウロやバルナバといった)当時の主な弟子たちは、この問題について協議するために、エルサレムに集まりました。 「そこで、使徒たちや長老たち…

使徒会議の意義(2)

前回に引き続き、新約聖書にある使徒会議についての解説です。 3.使徒会議の背景(続き) 前回は、使徒会議の開かれた背景について、少し解説をしました。 そこで今回からは、さらに解説を進めたいと思います。 「さて、ある人たちがユダヤから下ってきて…

使徒会議の意義(1)

(前回の記事は、こちら) 今回からのメルマガでは、新約聖書の「使徒会議」についての解説です。 1.使徒会議とは? 今回からは、新約聖書の使徒行伝という所にある、「使徒会議」についての解説をしようと思います。 別名エルサレム会議とも、呼ばれます…

キリストの復活と聖書の信仰(13)

(前回の記事は、こちら) 今回は、聖書の信仰についての最後の解説です。 18.キリストの復活は、「つまづきの石」であり続ける 今回までのメルマガでは、キリストの復活についての解説をしてきました。いかがでしたか? キリストの復活は、新約聖書の中…

キリストの復活と聖書の信仰(12)

前回に引き続き、聖書の信仰についての解説です。 17.アブラハムとキリスト(3) さてパウロは、このアブラハムの信仰と、キリストの復活にはある共通点があるといいます。 それは、一体なんでしょうか? それは両者とも、「本来なら決してありえないこ…

キリストの復活と聖書の信仰(11)

前回に引き続き、聖書の信仰についての解説です。 16.アブラハムとキリスト(2) さてローマ人への手紙の中で、パウロは次のように続けます。 「すなわち、およそ百歳となって、彼自身のからだが死んだ状態であり、また、サラの胎が不妊であるのを認めな…

キリストの復活と聖書の信仰(10)

前回に引き続き、聖書の信仰についての解説です。 15.アブラハムとキリスト(1) さて今回からは、新約聖書の解説に戻ります。 今回引用するのは、第3回ののメルマガでも引用した、ローマ人への手紙です。 「アブラハムは、神の前で、わたしたちすべて…

キリストの復活と聖書の信仰(9)

前回に引き続き、聖書の信仰についての解説です。 13.物語の結末 さてアブラハムとサラの話は、次のような結末を迎えました。 「主は、さきに言われたようにサラを顧み、告げられたようにサラに行われた。サラはみごもり、神がアブラハムに告げられた時に…

キリストの復活と聖書の信仰(8)

前回に引き続き、聖書の信仰についての解説です。 12.アブラハムの信仰(3) さて、それから少し経った日のことです。まだ昼間の暑い時刻に、三人の旅人がアブラハムとサラのもとを訪れます。 二人は彼らを、自分たちの住んでいた天幕(テントのこと)に…

キリストの復活と聖書の信仰(7)

前回に引き続き、聖書の信仰についての解説です。 11.アブラハムの信仰(2) 前回解説をしたとおり、アブラハムとサラは年を取ってしまい、二人が実際に子供を持つことは、もはや無理だといえる状況でした。 実際、二人は侍女のハガルがアブラハムの子供…

キリストの復活と聖書の信仰(6)

前回に引き続き、聖書の信仰についての解説です。 9.アブラハムの生涯(3) さて前回の解説のとおり、アブラムは神から、後継ぎとなる子供が与えられるという約束を結んでいました。 ですがアブラムとサライがいくら待っても、一向に子供が与えられる気配…

キリストの復活と聖書の信仰(5)

(前回の記事は、こちら) 皆さん、あけましておめでとうございます。 昨年は、メルマガ「聖書の読み方」を読んでいただき、誠にありがとうございました。 まだまだ拙いメルマガですが、これからも聖書について関心を持っていただけるよう、がんばりますので…

キリストの復活と聖書の信仰(4)

前回に引き続き、聖書の信仰についての解説です。 7.アブラハムの生涯(1) 前回予告したとおり、今回からのテーマは、創世記のアブラハムという人物です。聖書の記述に従えば、今からだいたい4000年ほどまえの人です。 最初はアブラハムではなく、ア…

キリストの復活と聖書の信仰(3)

前回に引き続き、キリストの復活について解説です。 5.新約聖書の信仰 さて前回は、新約聖書の信仰とキリストの復活には、密接な関係があると、解説しました。 しかし、そもそもキリストの復活を信じるということが、なぜそんなに重要なのか、疑問をもつ人…

キリストの復活と聖書の信仰(2)

前回に引き続き、キリストの復活についての解説です。 3.なぜ復活を強調するのか? 前回はヨハネによる福音書から、イエスの復活の箇所を引用しました。 ここで、皆さんに留意していただきたいのは、イエスの復活が、単なる「蘇生」ではないという点です。…

キリストの復活と聖書の信仰(1)

(前回の記事は、こちら) 今回からの解説は、キリストの復活についてです。 1.キリストの復活とは? さて今回からは、キリストの復活について解説します。このキリストの復活というのは、新約聖書の中では十字架と同様に、重要なものです。 つまるところ…

使徒行伝での出来事(7)

(前回の記事は、こちら) 今回は、このテーマの最後の解説です。 8.ふたつの話の意味すること さてこれまでのメルマガでは、使徒行伝の2つの話、つまりエチオピヤ人の宦官の話と、 百卒長コルネリオの解説をしてきました。いかがでしたか? このふたつの…

使徒行伝での出来事(6)

(前回の記事は、こちら) 今回も、使徒行伝のエチオピヤの宦官の解説です。 7.エチオピヤ人の宦官の話(2) 前回は使徒行伝8章のエチオピヤ人の、宦官の男性の逸話を紹介しました。彼はピリポというキリストの弟子から、洗礼(バプテスマ)を受けたので…

使徒行伝での出来事(5)

(前回の記事は、こちら) 今回からは、使徒行伝のエチオピヤの宦官の箇所の解説です。 6.エチオピヤの宦官の話(1) 前回までは、使徒行伝の10章のコルネリオの箇所の解説でした。今回からは同じく使徒行伝の8章にある、エチオピヤの宦官の話を解説し…

使徒行伝での出来事(4)

(前回の記事は、こちら) 今回も、使徒行伝10章のコルネリオの箇所を解説します。 5.ペテロの幻の意味 前回は、使徒ペテロがカイザリヤにいるローマの百卒長コルネリオのもとを訪ねる場面を解説しました。 ここでペテロの見た、あの奇妙な幻の意味が明…

使徒行伝での出来事(3)

前回に引き続き、新約聖書の使徒行伝での出来事について解説をします。 4.ペテロとコルネリオの出会い さて前回奇妙な幻を見たペテロは、百卒長コルネリオの住むカイザリヤへと向かいます。 コルネリオは親族や親しい友人を共にペテロの到着を待っていまし…

使徒行伝での出来事(2)

前回に引き続き、新約聖書の使徒行伝での出来事を解説します。 3.ペテロの見た幻 当時使徒ペテロは、ヨッパという所に滞在中でした。そこで彼がある家の屋上にいたとき、奇妙な幻(夢?)を見ます。 それは、彼が昼食を待っていたときのことでした。 「彼…

使徒行伝での出来事(1)

(前回の記事は、こちら) 今回から解説するのは、新約聖書の使徒行伝です。 1.使徒行伝とは? 今回からのメールマガジンでは、新約聖書の中の使徒行伝というところを解説します。使徒行伝とありますが、ここで使徒というのは、だいたいキリストの直弟子、…

ヤコブの手紙の意義(3)

前回に引き続き、ヤコブの手紙について解説をします。 4.パウロは、行いを否定していない 前回解説したようにヤコブの手紙は、キリスト教の実践面に焦点をあてた書簡です。 ですが、これは信仰を強調する使徒パウロの教えとは、一見矛盾します。 これが、…

ヤコブの手紙の意義(2)

前回に引き続き、ヤコブの手紙について解説をします。 3.ヤコブの勧め 前回のメルマガでも解説をしたように、ヤコブの手紙は特にキリスト教の実践面の勧めが多い手紙です。 特に彼が批判するのは、形だけの信仰、つまり実践=正しい行いの伴わない、空虚な…

ヤコブの手紙の意義(1)

(前回の記事は、こちら) 今回からは、新約聖書に入っているヤコブの手紙について解説をします。 1.ヤコブの手紙とは? 今回取り上げるのは、ヤコブの手紙という文書です。 これは新約聖書のなかの書簡=手紙の中のひとつで、ヤコブという人物が書いたも…

イエスはなぜ「ダビデの子」と呼ばれているのか?

(前回の記事は、こちら) 今回は、「ダビデの子」について解説します。 1.ダビデの子とは? 新約聖書を読むと、イエスがしばしば「ダビデの子」と呼ばれている箇所に出くわします。 例えば、 「そこから進んで行かれると、ふたりの盲人が、『ダビデの子よ…

人の子(2)

前回に引き続き、「人の子」について解説します。 2.旧約聖書の中の「人の子」 さて、前回イエスの言う「人の子」という言葉は、自分自身を指す当時の一般的な言葉だったと解説しました。 しかし、イエスの言う「人の子」という言葉は、それだけにとどまら…