前回に引き続き、伝道の書について解説をします。
2.伝道の書の著者=伝道者
前回は、伝道の書の冒頭の言葉を紹介しました。
今回はこの書の著者の、「伝道者」について解説します。
この伝道者という人物については、2章に次のようにあります。
「わたしは大きな事業をした。わたしは自分のために家を建て、ぶどう畑を設け、園と庭をつくり、またすべて実のなる木をそこに植え、池をつくって、木のおい茂る林に、そこから水を注がせた。」
(伝道の書2章4節ー6節)
続けて、次のようにも書いています。
「わたしはまた銀と金を集め、王たちと国々の財宝を集めた。またわたしは歌うたう男、歌うたう女を得た。また人の子の楽しみとするそばめを多く得た。」
(伝道の書2章8節)
これを読むと、彼は非常に裕福であったことがうかがえます。
誰が見ても、何一つ不自由のない生活を送っていたようにも想像できます。
うらやましい限りですね。
また、彼は知恵のある人物でもありました。
「わたしは心の中に語って言った、『わたしは、わたしより先にエルサレムを治めたすべての者にまさって、多くの知恵を得た。わたしの心は知恵と知識を多く得た』。」
(伝道の書1章16節)
これが、彼の自負でした。
自信のほどがうかがえますね。
しかし傍から見れば、知恵もあり、何不自由のない生活をしていた伝道者でしたが、
心の中では、その人生に満足してはいませんでした。
それは、一体なぜだったのでしょうか?
次回に続きます。
(2023年10月18日まぐまぐ!にて配信)
(このブログでは、日本聖書協会発行の口語訳を引用しています。
聖書 口語訳: ©日本聖書協会 Japan Bible Society
1954,1955,1975,1984,2002)