聖書の読み方

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新約聖書の時代背景(9)

 前回に引き続き、新約聖書の時代背景について解説します。

 

 10.散在のユダヤ人と、旧約聖書の翻訳
 新約聖書の時代、ユダヤ人はパレスチナ地方のみならず、ローマ帝国の各地に散在していました。
 そして彼らは、新約の時代よりかなり前から、さまざまな地域に散在していました。
 
 しかしこのように各地に散在し、その土地に馴染むにつれ、ある問題に直面することになります。
それは彼らが、もともと話していた母国語を、忘れてしまうことです。
 ユダヤ人は、もともとヘブライ語という言葉を話していました。
なので、旧約聖書ヘブライ語で書かれています。
 (もっとも一部例外はあり、エズラ記、ダニエル書、エレミヤ書、創世記は、一部でアラム語が使われています。)

 

 しかし、彼らがヘブライ語を話せなくなるにつれ、聖書を他の言語に訳す必要が出てきました。
そこで紀元前3世紀頃、エジプトのアレキサンドリアという所で、旧約聖書の翻訳がなされることになりました。
 それは「70人訳聖書」と呼ばれ、当時ヘレニズム世界で広く話されていたコイネーというギリシャ語に翻訳されたものでした。

 この70人訳聖書は重要な翻訳となり、新約が旧約聖書を引用する際は、70人訳を引用することが多くなっています。
 
 次回に続きます。

 

 (2023年10月4日まぐまぐ!にて配信)

 

(このブログでは、日本聖書協会発行の口語訳を引用しています。

聖書 口語訳: ©日本聖書協会 Japan Bible Society

        1954,1955,1975,1984,2002)