4.エルサレムでの会議
さて前回の解説のとおり、(パウロやバルナバといった)当時の主な弟子たちは、
この問題について協議するために、エルサレムに集まりました。
「そこで、使徒たちや長老たちが、この問題について審議をするために集まった。」
(使徒行伝15章6節)
ここで問題となったのは、
キリスト教に改宗した異邦人が、どこまで旧約聖書の戒律を
守るべきかということでした。
とくに保守的な人々は、あくまで異邦人もユダヤ人と同様、旧約聖書の戒律を重んじるべきだと言います。
特に、前回解説をした割礼を、彼らは重視していました。
議論が一巡した後、使徒の筆頭だったペテロという弟子が、次のように語ります。
「兄弟たちよ、ご承知のとおり、異邦人がわたしの口から福音の言葉を聞いて信じるようにと、神は初めのころに、諸君の中からわたしをお選びになったのである。」
(使徒行伝15章7節後半)
「しかるに、諸君はなぜ、今われわれの祖先もわれわれ自身も、負いきれなかったくびきをあの弟子たちの首にかけて、神を試みるのか。確かに、主イエスのめぐみによって、われわれは救われるのだと信じるが、彼らとても同様である。」
(使徒行伝15章10節ー11節)
繰り返しになってしまいますが、(ペテロを初めとした)当時の教会の指導者たちは、それまでの経験から、
人間が救われるのは、イエス・キリストを信じる信仰によるのであって、
単に律法(旧約聖書の戒律)を字義通り守ることではない、
そう確信していました。
それは、パウロやバルナバといった、他の弟子たちも同様でした。
次回に続きます。
(2024年4月3日まぐまぐ!にて配信)
(このブログでは、日本聖書協会発行の口語訳を引用しています。
聖書 口語訳: ©日本聖書協会 Japan Bible Society
1954,1955,1975,1984,2002)