前回に引き続き、聖書の信仰についての解説です。
11.アブラハムの信仰(2)
前回解説をしたとおり、アブラハムとサラは年を取ってしまい、
二人が実際に子供を持つことは、もはや無理だといえる状況でした。
実際、二人は侍女のハガルがアブラハムの子供を生むという形で、イシュマエルをもうけ、彼を跡継ぎにしたのでした。
しかし彼の前に現れた「神」は、最初にアブラハムに現れた時と同様、
あくまでアブラハムとサラから、二人の跡継ぎが生まれるのだと強調します。
「そしてアブラハムは神に言った、『どうかイシマエルがあなたの前に生きながらえますように』。」
(創世記17章18節)
「神は言われた、『いや、あなたの妻サラはあなたに男の子を産むでしょう。名をイサクと名づけなさい。わたしは彼と契約を立てて、後の子孫のために永遠の契約としよう』。」
(創世記17章19節)
神は、あくまでアブラハムの正妻サラが、子供を生むのだといいます。
最初にこのことを聞いた時、アブラハムは笑ったといいます。なぜなら、
「アブラハムはひれ伏して笑い、心の中で言った、『百歳の者にどうして子が生まれよう。サラはまた九十歳にもなって、どうして産むことができようか』。」
(創世記17章17節)
と思ったからです。
それはそうでしょう。
彼は99歳、そしてサラは90歳、おまけに妻は不妊症である。
そんな二人が子を持つことは、もはや神にだって出来はしない、
そう、彼は考えたのでしょう。
しかし、あくまで神は先程引用したように、
「いや、あなたの妻サラはあなたに男の子を産むでしょう。名をイサクと名づけなさい。わたしは彼と契約を立てて、後の子孫のために永遠の契約としよう』」
(同上17章19節)
と言ってききません。
こうして、アブラハムと神の押し問答?のような会話が続き、この物語は新たな段階へと向かいます。
次回に続きます。
(2024年1月10日まぐまぐ!にて配信)
(このブログでは、日本聖書協会発行の口語訳を引用しています。
聖書 口語訳: ©日本聖書協会 Japan Bible Society
1954,1955,1975,1984,2002)