聖書の読み方

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使徒会議の意義(4)

前回に引き続き、新約聖書使徒会議についての解説です。

 

 5.異邦人に律法を押し付けない


 前回解説したように、この会議では異邦人に対しては、
割礼を含む旧約聖書の戒律を、字義通りには守らせる必要はないという方向へ、
進みました。
 そして会議の中で、ヤコブという弟子(彼はイエスの実の弟です)が、この点に念を押すように、
旧約聖書の次の箇所を引用しました。

 

 「その後、わたしは帰ってきて、
  倒れたダビデの幕屋を建てかえ、
  くずれた箇所を修理し、
  それを立て直そう。  
  残っていうる人々も、
  わたしの名を唱えているすべての異邦人も、
  主を尋ね求めるようになるためである。」
  (使徒行伝15章16節ー17節、アモス書9章11節ー12節)

 

 これは、旧約聖書アモス書という箇所からの引用です。
 もっとも、この箇所では70人訳という、ギリシャ語訳の聖書を引用しているようなので、
ヘブライ語旧約聖書(現在はこちらから翻訳されている)の文言とは、
少し異なるかもしれません。
 ここでは、「わたしの名を唱えているすべての異邦人も、主を尋ね求めるようになる」
とありますね。
 キリストを信じている異邦人は、ユダヤ人と全く同様に、
神の救いを受けている。

 

 「そこで、わたしの意見では、異邦人の中から神に帰依している人たちに、わずらいをかけてはいけない。」
 (使徒行伝15章19節)

 

 そうである以上、もはやユダヤ人と同様の戒律を、異邦人が守る必要は無い。
 それが、新約聖書キリスト教)の立場です。
 
 この後、この会議では、異邦人が守るべき事柄(使徒行伝15章20節、同29節)を指示し、
それ以外の点では旧約聖書の戒律を、字義通り守る必要はないという結論に
達しました。

 次回に続きます。

 

 (2024年4月7日まぐまぐ!にて配信)

 

(このブログでは、日本聖書協会発行の口語訳を引用しています。

聖書 口語訳: ©日本聖書協会 Japan Bible Society

        1954,1955,1975,1984,2002)