3.使徒会議の背景(続き)
前回は、使徒会議の開かれた背景について、少し解説をしました。
そこで今回からは、さらに解説を進めたいと思います。
「さて、ある人たちがユダヤから下ってきて、兄弟たちに『あなたがたも、モーセの慣例にしたがって割礼を受けなければ、救われない』と、説いていた。」
(使徒行伝15章1節)
ここに、前回解説した割礼が、出てきますね。
つまり異邦人(ユダヤ人ではない人々)も、ユダヤ人と同様にこの儀式を受けなければ、キリスト教に入るべきではない。
当時はそのように主張する人々が、いたようです。
「そこで、パウロやバルナバと彼らの間に、少なからぬ紛糾と争論とが生じたので、パウロ、バルナバそのほか数人の者がエルサレムに上り、使徒たちや長老たちと、この問題について協議することになった。」
(使徒行伝15章2節)
ここでパウロやバルナバとは、キリスト教の形成期に大きな働きをした弟子たちです。
新約聖書には、キリストの弟子たちが書いた手紙(書簡)が収録されていますが、
なかでも、このパウロによるものが大半を占めています。
さてパウロたちは、それまでの伝道の経験から、
人間が救われるのに必要なことは、イエス・キリストを信じる信仰であって、
(旧約聖書の)戒律を字義通り守ることではないという確信を、持っていました。
そこで彼らは他の弟子たちと、使徒や長老たちのいるエルサレムで
この問題について議論することになります。
次回に続きます。
(2024年3月31日まぐまぐ!にて配信)
(このブログでは、日本聖書協会発行の口語訳を引用しています。
聖書 口語訳: ©日本聖書協会 Japan Bible Society
1954,1955,1975,1984,2002)