聖書の読み方

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なぜイエスはキリストと呼ばれているのか?(14)

 前回に引き続き、キリストの意味についての解説です。

 

 17.イエスは、何の救済者だったのか?


 旧約聖書では、イスラエルの王や祭司たちに対して、キリスト(メシア)という称号が与えられていました。
 しかし、キリストとよばれていたのは、それだけではありません。
 ユダヤ人に対する解放者(救済者)とみなされた人物も、
メシアだとよばれていました。
 ですが、これまでの解説の通り、新約聖書イエス・キリストは、一見イスラエルの救済者とは思えません。
 しかし新約聖書はイエスを、キリスト(救済者)だとみなしているのです。
 一体、何故でしょうか?

 

 18.(理由その5)イエスは、人間の内面の問題(罪)から解放する救済者だから

 なぜ新約聖書では、イエスをキリスト(救済者)だとみなしているのか?
 それは彼が、人間の内面の問題、つまり「罪」から解放する救済者だと、
みなしているからです。

 

 「彼は、私達の罪のための、あがないの供え物である。ただ、わたしたちの罪のためばかりではなく、全世界の罪のためである。」
 (ヨハネの第一の手紙2章2節)


 
 ここには、イエスが人間を「罪」から救う救済者だという記述がみられます。
 それも単にイスラエル民族のためではなく、広く全人類のための救済者であるという
考え方も現れています。

 罪というのは、言ってみれば、内面的な問題ですね。
 だから、イエスのいう救いというのは、どこか抽象的なものでもあります。
 だからでしょうか、新約時代の一般のユダヤ人たちは、
エスがキリスト(メシア)だと、なかなか信じられなかったようです。
 もっとも、イエスの真意を理解できなかったのは、ユダヤ人の人々だけではなく、
エスの弟子たちだって同様でした。
 
 まとめると、イエスが(人間の霊的な問題である)罪から解放する救済者だから、
新約聖書は彼をキリスト(救い主)だとみなしているわけですね。

 次回に続きます。

 

 (2024年3月20日まぐまぐ!にて配信)

 

(このブログでは、日本聖書協会発行の口語訳を引用しています。

聖書 口語訳: ©日本聖書協会 Japan Bible Society

        1954,1955,1975,1984,2002)