聖書の読み方

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なぜイエスはキリストと呼ばれているのか?(10)

 前回に引き続き、キリストの意味についての解説です。

 

 13.なぜイエスはキリストと呼ばれているのか?


 さて前回までのメルマガでは、旧約聖書では、キリスト(メシア)とはどんな存在だったのか、
そして新約聖書イエス・キリストは、一見旧約聖書キリスト像とは一致しないことを、解説しました。
 繰り返しになりますが、旧約時代にはイスラエルの王や祭司、そして(イスラエルの)救済者に対して
与えられる称号こそ、キリスト(メシア)でした。
 そして新約時代も基本的には、旧約時代と同様です。
 ですがイエスはそのままでは、キリストと呼ばれる要素がないように思えます。

 なぜなら、

 1.イエスが、イスラエルの王ではなく、
 2,また、祭司でもなく、
 3.イスラエルの政治的な救済者(メシア)

でもなかったからです。

 しかし新約聖書では至る所にイエスがキリスト、つまりメシアであったと書いてあります。
 例えば、

 

 「そこでイエスは彼らに尋ねられた、『それでは、あなたがたはわたしをだれと言うか』。ペテロが答えて言った、『あなたこそキリストです』。」
 (マルコによる福音書8章29節)

 

 「だから、イスラエルの全家は、この事をしかと知っておくがよい。あなたがたが十字架につけたこのイエスを、神は、主またキリストとしてお立てになったのである。」
 (使徒行伝2章36節)

 

 「すべてイエスのキリストであることを信じる者は、神から生まれた者である。」
 (ヨハネの第一の手紙5章1章)

 

 などです。
 いかがでしょうか?
 このように新約聖書ではイエスがキリスト、つまりメシアだったということが、
その一貫した主張となっています。
 それでは、一見旧約聖書のメシア像とは異なる、このナザレのイエスを、
なぜ新約聖書ではキリスト、つまりメシアだとみなしているのでしょうか?

 次回に続きます。

 

 (2024年3月6日まぐまぐ!にて配信)

 

(このブログでは、日本聖書協会発行の口語訳を引用しています。

聖書 口語訳: ©日本聖書協会 Japan Bible Society

        1954,1955,1975,1984,2002)