前回に引き続き、キリストの意味についての解説です。
7.イエスはキリストではない?
前回までの解説では、主に旧約聖書を引用しながら、キリストとは何なのかについて解説をしました。
繰り返しになりますが、旧約聖書では神から聖別された人物に、油を注ぐという慣習がありました。
そしてその油注がれた者を、メシアと呼んでいたのでした。
新約聖書のキリストという言葉も、メシアと本来同じ意味ですが、
ただ旧約がヘブライ語、そして新約がギリシャ語で書かれているため、別の言葉が使われているわけです。
さて旧約聖書では神から聖別され、油を注がれた人物には、3つのタイプがありました。
それは、
1.イスラエルの王となる人
2.イスラエルの祭司
3.イスラエルの民の解放者(救済者)
の3つのタイプです。
この3つのタイプの人物に与えられる称号こそが、メシア(油注がれた者)だったわけです。
実は新約聖書のキリストという言葉も、基本的には旧約聖書の場合と同様です。
つまりイスラエルの王、祭司、そして解放者(救い主)が、キリスト(メシア)とよばれているわけです。
しかし新約聖書を読んでみても、イエス・キリストは、一見旧約聖書に出てくるようなメシアとは、異なるように思えます。
では次回以降、これについて詳しくみていきましょう。
次回に続きます。
(2024年2月18日まぐまぐ!にて配信)
(このブログでは、日本聖書協会発行の口語訳を引用しています。
聖書 口語訳: ©日本聖書協会 Japan Bible Society
1954,1955,1975,1984,2002)