(前回の記事は、こちら)
今回は、聖餐について解説します。
1.聖餐とは?
聖餐とは、パンとぶどう酒=ワインをいただくという、キリスト教での儀式のことです。
イエスは十字架で亡くなる前に、弟子たちと共に食事を取っています。いわゆる最後の晩餐です。
絵画のテーマにもなっているので、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?
聖餐というのは、この時にイエスが弟子たちととった行動がもとになっている儀式です。
新約聖書によると、最後の晩餐の時、イエスは次のように行ったとあります。
「一同が食事をしているとき、イエスはパンを取り、祝福してこれをさき、弟子たちに与えて言われた、『取れ、これはわたしのからだである』。また杯を取り、感謝して彼らに与えられると、一同はその杯から飲んだ。イエスはまた言われた、『これは、多くの人のために流すわたしの契約の地である。あなたがたによく言っておく。神の国で新しく飲むその日までは、わたしは決して二度と、ぶどうの実から造ったものを飲むことをしない』。」
(マルコによる福音書14章22節ー26節)
これは他の福音書、マタイによる福音書やルカによる福音書にも、同様の記述があります。
しかし、これにはどのような意義があるのでしょうか?
2.聖餐の意義
さて新約聖書はイエスの十字架を、人間の罪を贖うためだったと解釈しています。
この中でイエスは、パンと杯=ぶどう酒を自分自身の体と血とみなし、これによって人間が救われるということを暗に示したと言えます。
そこでキリスト教徒は、この聖餐を執り行うことにより、イエスの死について覚えて、それを記念とするようにしました。
それが、聖餐の意義です。
そして聖餐には、これによってキリストとの生きた交わりに入る事ができるという意味もあるようです。
ですから、これも洗礼と同様、キリスト教にとっては重要な儀式だといえます。
次回からは、義認について解説します。
(2023年6月4日まぐまぐ!にて配信)
(このブログでは、日本聖書協会発行の口語訳を引用しています。
聖書 口語訳: ©日本聖書協会 Japan Bible Society
1954,1955,1975,1984,2002)