聖書の読み方

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人の子(1)

(前回の記事は、こちら

 

  今回からは、「人の子」について解説します。

 

 1.人の子とは?
  新約聖書では、イエスはしばしば自分のことを「人の子」と呼んでいます。例えば、

 

 「イエスはその人に言われた、『きつねには穴があり、空の鳥には巣がある。しかし、人の子にはまくらする所がない』。」
 (マタイによる福音書8章20節)
 
 とか、

 「また人の子がきて、食べたり飲んだりしていると、見よ、あれは食をむさぼる者、大酒を飲む者、また取税人、罪人の仲間だ、と言う。」
 (マタイによる福音書11章19節)

 とも言っています。
  この「人の子」という言葉は、イエスの生きていた時代は、自分自身、あるいは他の人を指す時に使われた言葉だそうです。


 つまり、簡単に「私は」という意味で、「人の子は」と言っていたと考えられますね。
  しかし聖書をよく読むと、それとは少し違ったニュアンスでイエスがこの「人の子」という言葉を使っている箇所があります。
 それは、

 「それは、イエスが弟子たちに教えて、『人の子は人々の手にわたされ、彼らに殺され、殺されてから三日の後によみがえるであろう』と言っておられたからである。」
 (マルコによる福音書9章31節)

 

 という箇所です。 
  ここでは、単純にイエスが自分自身の事を指して、自分が宗教家や権力者の手によって殺されることを、弟子たちに予告した箇所だと言えます。
 しかし、単純にそれだけとも言えない面が、この発言にはあります。

 次回に続きます。

 

 (2023年7月5日まぐまぐ!にて配信)

 

(このブログでは、日本聖書協会発行の口語訳を引用しています。

聖書 口語訳: ©日本聖書協会 Japan Bible Society

        1954,1955,1975,1984,2002)