前回に引き続き、洗礼について解説します。
3.洗礼の意義
さて、洗礼のように水で人間を清めるという考え方は、聖書の世界だけではなく、様々な宗教の中にも見ることができます。
また、ヨハネ(バプテスマのヨハネと呼ばれています)より前のユダヤ教にも、洗礼と似た儀式はあったようです。またイエスもこの洗礼を重要視していたことは、前回解説してきました。
ではこの洗礼という儀式は、何故重要なのでしょうか?
それについて、聖書には次のように書かれています。
「それとも、あなたがたは知らないのか。キリスト・イエスにあずかるバプテスマを受けたわたしたちは、彼の死にあずかるバプテスマを受けたのである。」
(ローマ人への手紙6章3節)
また続けて、
「すなわち、わたしたちは、その死にあずかるバプテスマによって、彼と共に葬られたのである。それは、キリストが父の栄光によって、死人の中からよみがえられたように、わたしたちもまた、新しいいのちに生きるためである。」
(ローマ人への手紙6章4節)
とも書いてあります。
「死にあずかる」とか、「死人の中からよみがえる」といった、独特な表現が使われていて、少しわかりにくいかもしれません。
これは洗礼という儀式にあずかることによって、人間が今までの罪の生き方から解放され、新しく生きるようになるためであると、そのように書いてあります。
またそれによって罪が許され、神の国の一員になれるという意義も洗礼という儀式にはあります。
このように洗礼というのは、そのような重要な意義をもつ儀式です。
決して軽んじてよいものではないということは、お分かりになったでしょうか?
次回は、聖餐について解説します。
(2023年5月31日まぐまぐ!にて配信)
(このブログでは、日本聖書協会発行の口語訳を引用しています。
聖書 口語訳: ©日本聖書協会 Japan Bible Society
1954,1955,1975,1984,2002)