(前回の記事は、こちら)
今回からは、洗礼について解説します。
1.洗礼とは?
さて、洗礼という言葉を皆さんはお聞きになったことはあるでしょうか?
この言葉はもともとはキリスト教から派生した言葉ですが、例えば、
「その投手は初登板でプロの洗礼を受けた。」
などと言われることもあるように、現在では「なにか新しいことを経験した」時にも使われる言葉になってます。
(通常あまりいい意味では使われてませんね。)
ですが、これは本来は新約聖書のある儀式を指す言葉です。それは一体どんな儀式なのでしょうか?
2.洗礼とは、水で清めるという儀式
洗礼とはキリスト教会に入会する儀式のことで、今度解説する予定の聖餐とあわせて、キリスト教の礼典=サクラメントと呼ばれているものの一つです。
通常、頭に水をそそぐ、あるいは全身を水で浸すという儀式です。
そしてこれはバプテスマとも呼ばれます。バプテスマというのは、「浸す」という意味のギリシャ語に由来する言葉です。
この洗礼はもともとヨハネという人物が始めたものですが、それをキリスト教が踏襲したのが現在の洗礼です。
福音書には、イエスが弟子たちに、
「それゆえに、あなたがたは行って、すべての国民を弟子として、父と子と聖霊の名によって、彼らにバプテスマを施し、あなたがたに命じておいた一切のことを守るように教えよ。」
(マタイによる福音書28章19節ー20節)
と命じたと記されています。
また、同じ福音書のマルコによる福音書のなかにも、
「全世界に出て行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝えよ。信じてバプテスマを受ける者は救われる。しかし、不信仰の者は罪に定められる。」
(マルコによる福音書16章15節ー16節)
とありますので、キリスト自身が洗礼を重視していたことがうかがえます。
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(2023年5月28日まぐまぐ!にて配信)
(このブログでは、日本聖書協会発行の口語訳を引用しています。
聖書 口語訳: ©日本聖書協会 Japan Bible Society
1954,1955,1975,1984,2002)