前回に引き続き、ノンクリスチャンの救済について解説します。
3.聖書を信じているというメリットは?
前回のメルマガで、正しく生きていた異教徒の人たちは、神によって救われる余地があると解説しました。
また今回詳しく解説はしませんが、正しい異教徒は、形だけのクリスチャンよりも倫理的に優れているとも書いてあります。(ローマ人への手紙2章17節ー29節)
にもかかわらず、ユダヤ人あるいはクリスチャンであること、つまり聖書を信じていることは大きなメリットがあるとパウロ(ローマ人への手紙の著者)は言います。
それは一体、なぜでしょうか?
4.神の言葉を知っているという利点
彼は次のように続けます。
「では、ユダヤ人のすぐれている点は何か。それは、いろいろの点で数多くある。まず第一に、神の言が彼らにゆだねられたことである。」(ローマ人への手紙3章1節ー2節)
異教徒でも救われることができるなら、そもそもユダヤ人であるというメリットはなんなのか?
割礼(ユダヤ人の男性が受ける儀式のこと、いずれ説明します)のある自分たちには、何のメリットがあるのか?
その問に対して、彼は次のように答えます。
それは、「神の言葉が、彼ら=ユダヤ人にゆだねられたこと」
これが、ユダヤ人であることの大きな利点だと彼は言います。ユダヤ人はアブラハムという人物から始まり、神との契約を結び、それを聖書という形で編纂し、そのような民族として生きてきました。
またキリスト教徒もユダヤ人と同様、神との契約という形で聖書を信じています。(もっともユダヤ教の人たちとは若干信仰が違いますが、本質は同じだと思います)
このような形で、神の言葉を信じていることには、大きな利点があると、パウロは言います。
聖書は、異教徒は皆地獄に落ちるなどとは書いていません。良識があり、正しく生きる異教徒は、それによって救われることもあると書いてあります。にもかかわらず、神の言葉=聖書を信じるユダヤ人、あるいはキリスト教徒であることは、大きなメリットがある。
それが、「ローマ人への手紙」の中で、彼が伝えたいことなのです。
次回は、洗礼について解説します。
(2023年5月24日まぐまぐ!にて配信)
(このブログでは、日本聖書協会発行の口語訳を引用しています。
聖書 口語訳: ©日本聖書協会 Japan Bible Society
1954,1955,1975,1984,2002)