(前回の記事は、こちら)
今回のメールマガジンのテーマは「新約聖書の時代背景」です。
イエスと彼の弟子たちが生きたのは、紀元1世紀のパレスチナ、そしてローマ帝国でした。
そこで今回のメルマガでは、(一般常識の範囲内と言われるかも知れないことは承知の上で)
新約時代の歴史的、そして文化的な背景について解説します。
1.キリストの生きた時代
さてキリストの生きていた頃、ユダヤ民族はローマ帝国に支配されていました。
ユダヤ人たちが住んでいたパレスチナ地方は、紀元前11世紀に統一王朝を打ち立てていました。しかしその後南北に分裂してしまいます。
北のイスラエル王国と、南のユダ王国にです。この2つの国家は約200年間の間存続していましたが、北のイスラエル王国は紀元前722年にアッシリアに、そして南のユダ王国は紀元前586年にバビロニアによって滅ぼされてしまいました。
そのときに多くの住民がバビロニアに強制的に移住されます。これはバビロン捕囚と呼ばれています。
そののち、バビロニアはアケメネス朝ペルシャに滅ぼされます。
そして、紀元前538年にペルシャのキュロス2世の働きによって、ユダヤ人は祖国への帰還を許されます。
そこでユダヤ人たちは祖国を再建し、一時期は独立を保っていました。
しかし紀元前63年に、ローマ帝国の将軍ポンペイウスがエルサレムに入城し、それからはローマ帝国の属州のひとつとなっていました。
ローマ帝国はユダヤ地方では、ヘロデ王家を立て、この地域を統治していました。
さて、ローマ帝国は占領した地域の軍事と財政については厳しかった一方、その地域の内政にはそれほど干渉しないのが、基本的なスタンスでした。
ですのでユダヤ人の宗教=ユダヤ教についても、治安を乱さない限りは、ローマからは容認されていたようです。
次回に続きます。
(2023年9月6日まぐまぐ!にて配信)
(このブログでは、日本聖書協会発行の口語訳を引用しています。
聖書 口語訳: ©日本聖書協会 Japan Bible Society
1954,1955,1975,1984,2002)