聖書の読み方

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十戒の意義(2)

 前回に引き続き、十戒について解説します。

 

 3.十戒の内容(続き)
 さて、前回は第5戒まで解説したので、今回は第6戒から解説します。
 (第6戒)
 「あなたは殺してはならない。」(出エジプト記20章13節)
 (第7戒)
 「あなたは姦淫してはならない。」(同14節)
 (第8戒)
 「あなたは盗んではならない。」(同15節)
 (第9戒)
 「あなたは隣人について、偽証してはならない。」(同16節)
 (第10戒)
 「あなたは隣人の家をむさぼってはならない。」(同17節)


 
 第6戒は殺人を、第7戒は性的に乱れた関係を、そして第8戒は窃盗を禁止していますね。
 第9戒は、意図的に嘘をついたり他者を欺くことを禁止した戒律です。
 これに対して、第10戒はこれまでの戒律とは少し異なります。
 「むさぼるな(貪るな)」と書いてあります。貪る、つまり際限なく欲しがる、あるいは際限なくある行動をし続ける事をさす言葉です。この場合は、前者の意味で理解すべきですね。
 つまり、これは他者の家や所有物などの持ち物や、あるいは配偶者などを「むさぼる」ことを禁止する戒律です。
 それまでの戒律が人間の外面的な行為、つまり殺人や姦淫などを禁止しているのに対して、
 この第10戒は、人間の内面について規定している、他の戒律とは少し異なったものだといえます。

 

 4.十戒の意義
 ここまでみていると、十戒というのはある意味で人間にとって普遍的な戒律であるといえると思います。
 その中で、第1戒や第2戒のような、一神教にとって特徴的な戒律を含んだのが、十戒の特徴だといえるのではないでしょうか?
 旧約聖書には、十戒以外にもさまざまな戒律が書かれています。
 キリスト教とルーツを同じくするユダヤ教は、この戒律(律法)を守ることを大切にしていますが、
ユダヤ教ではこれを613個の戒律に分類しているそうです。
 その中でもこの十戒は、中心的なものであるといえると思います。

 次回に続きます。 

 

 (2023年8月16日まぐまぐ!にて配信)

 

(このブログでは、日本聖書協会発行の口語訳を引用しています。

聖書 口語訳: ©日本聖書協会 Japan Bible Society

        1954,1955,1975,1984,2002)