聖書の読み方

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終末とは?(5)

(前回の記事は、こちら

 

 前回に引き続き、終末について解説します。

 

 7.「すでに」と「いまだ」の関係
 さて前回、使徒行伝の出来事は、言ってみれば「終末の出来事」だったということができると解説しました。
 これは一体、どういう意味でしょうか? それはつまるところ、この時点で「終末」はすでに訪れているということです。これは一見すると奇妙な考え方のようにも思えます。なぜなら、そもそも未だに「世の終わり」は来ているようには思えないからです。
 しかし終末を、「神の義が貫徹する」時だとみなせば、終末がすでに訪れていると解釈しても、別に問題はないともいえます。
 使徒行伝にあるように、終末の時代はすでに来ていると解釈しても別に不思議ではありません。
 しかしここで重要な点は、その終末の時代は、まだ完全に到達してはいないということです。言ってみれば、いまの時代は「すでに」世の終わりが来ているのと同時に、「いまだ」完全には訪れていない時代だといえるわけです。


 このような「すでに」と「いまだ」の間に有るのが現在の状態であるということです。ある種の緊張状態にあるともいえますね。
 だから新約聖書は、この神の義が貫徹するという意味での「終末」を待ちつつ、平穏な態度で生きていくことが、必要だといいます。

 「このように、これらはみなくずれ落ちていくものであるから、神の日の到来を熱心に待ち望んでいるあなたがたは、極力、きよく信心深い行いをしていなければならない。」
 (ペテロの第二の手紙3章11節ー12節)

 

 (次回の記事は、こちら

 

 (2023年8月6日まぐまぐ!にて配信)

 

(このブログでは、日本聖書協会発行の口語訳を引用しています。

聖書 口語訳: ©日本聖書協会 Japan Bible Society

        1954,1955,1975,1984,2002)