聖書の読み方

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ヘブル人への手紙の意味(12)

前回に引き続き、ヘブル人への手紙について解説をします。

 

 17.旧約の犠牲と、キリストの対比
 さてヘブル人への手紙では、旧約聖書の律法、
とくに、罪をあがなういけにえについての戒律に、
特に議論を集中しています。
 いったい、それはなぜでしょうか?
 それは、新約聖書のキリストの十字架を、
旧約聖書の犠牲と、対比しているからです。
 
 これまでの解説のとおり、旧約聖書には、
(雄牛やヤギなどの動物を)ささげるための、様々な規定が存在しました。
 それは、イスラエルの人々の罪のために、
身代わりにして、いけにえを捧げていたわけです。
 しかし新約聖書では、こうした犠牲は、
人間の罪のあがないには不十分だといいます。

 

 「いったい、律法はきたるべき良いことの影をやどすにすぎず、そのものの真のかたちをそなえているのではないから、年ごとに引きつづきささげられる同じようないけにえによっても、みまえに近づいて来る者たちを、全うすることはできないのである。」
 (ヘブル人への手紙10章1節)

 

 新約聖書では、律法の規定というのは、本来あるべき救いの、
いわば雛形(ひながた)、つまり模型のようなもので、
それだけでは、人間の救いには不十分である。
そのように、解釈します。
 
 「なぜなら、雄牛ややぎなどの血は、罪を除き去ることができないからである。」
 (ヘブル人への手紙10章4節)

 

 次回に続きます。

 

 (2024年6月23日まぐまぐ!にて配信)

 

(このブログでは、日本聖書協会発行の口語訳を引用しています。

聖書 口語訳: ©日本聖書協会 Japan Bible Society

        1954,1955,1975,1984,2002)